化粧品の輸出に必要な書類とは?バイヤーのためのチェックリスト
化粧品の輸出書類には、通関のための船積書類と、規制当局に向けたコンプライアンス書類という2つの層があります。それぞれを誰が用意するのかを、市場別に解説します。

目次
バイヤーが化粧品の輸出書類について尋ねるとき、実は2つの異なるものを指していることがよくあります。ひとつは、税関や運送業者が貨物を国境を越えて輸送するために必要な船積書類、もうひとつは、製品を販売する前に規制当局が求める市場参入のためのコンプライアンスです。
よくある誤解は、COAや自由販売証明書(CFS)によって製品が登録されるというものです。実際には、どちらにも登録の効力はありません。登録、届出、リスティングは通常、仕向地の市場に拠点を置く企業、またはその市場向けに指定された企業が行います。
このチェックリストでは、メーカーが一般的に用意する書類、輸入者または責任者が提出しなければならない書類、そして製品カテゴリーによって手続きのルートがどう変わるかを示します。内容は2026年10月時点の公的なガイダンスに基づくもので、法的助言ではありません。最新のルールは、当局または薬事コンサルタントにご確認ください。
輸送・通関のための化粧品輸出書類
これらの書類は貨物とともに送られ、輸出者、フォワーダー、または通関業者が作成します。
- コマーシャルインボイス(商業送り状):輸出者と買主の間の法的な書類で、販売した物品と支払金額を記載します。各国政府は、関税を査定する際の物品の価額を決定するために、この書類を用いることがよくあります。
- パッキングリスト:各梱包の数量、重量、荷印、寸法を記載します。
- 船荷証券(B/L)または航空運送状(AWB):海上輸送または航空輸送のための運送書類です。
- 原産地証明書:物品の製造地を示す署名入りの証明書で、通常は商工会議所などの準公的機関が認証します。
インボイスの各明細には、HSコードも記載する必要があります。HS(商品の名称及び分類についての統一システム)では、第33.04項が、日焼け止めを含む美容用、メーキャップ用、皮膚の手入れ用の調製品を対象としています。スキンクリーム、セラム、化粧水は通常3304.99号(「その他のもの」)に、シャンプーは3305.10号に分類され、第34.01項の石けんは第33類の対象外です。国際的に共通なのは最初の6桁のみのため、各国の国内コードは通関業者に確認してください。
メーカーが提供する製品書類
経験豊富なOEM/ODMパートナーであれば、生産後にほとんどの製品書類を提供できるはずです。
- COA(試験成績書):製品規格と照らし合わせた、バッチごとの試験結果です。
- SDS(現在もMSDSと呼ばれることが多い):安全データシートです。小売用の化粧品は、米国ではOSHA(労働安全衛生局)の危険有害性周知基準の対象外であり、EUでもREACH規則に基づくSDSの提供義務の対象外です。それでも運送業者やフォワーダーから求められることがよくあります。IATAの危険物規則(DGR)が、危険物を正しく分類する責任を荷送人に課しているためです。
- 全成分リスト:ラベルや届出書類の作成に必要です。
- CFS(自由販売証明書):製品が原産国で合法的に販売されていることを示す証明で、登録の際に求められることがよくあります。
- GMP証明書:化粧品GMP(適正製造規範)に準拠していることの証明です。たとえば中国では、輸入一般化粧品に対する条件付きの動物試験免除を受けるために、製造国の政府当局が発行したGMP証明書が必要です。
証明書には認証が必要になる場合もあります。韓国は2007年から外国公文書の認証を不要とする条約(アポスティーユ条約)の締約国であるため、他の締約国では一般にアポスティーユが受け入れられます。2026年6月時点で、UAE、マレーシア、カタール、クウェートは締約国として掲載されていなかったため、これらの国では領事認証が必要になる場合があります。いずれの手続きも、生産後にさらに時間を要します。仕向国の大使館にご確認ください。
市場参入の要件:誰が何を提出するのか
市場参入の手続きは通常、輸入者または責任者の役割であり、メーカーはそのためのデータを提供します。
- 米国:MoCRA(化粧品規制近代化法)のもとでは、製造業者と加工業者が自社の施設をFDA(米国食品医薬品局)に登録し、2年ごとに更新します。責任者(ラベルに記載された製造業者、包装業者、または販売業者)は、市販する各製品をその成分とともにリスティングし、毎年リスティングを更新します。
- 欧州連合(EU):EU市場に出すことができるのは、EU域内に拠点を置く責任者が指定された化粧品のみで、輸入製品の場合は原則として輸入者が責任者となります。責任者は化粧品安全性報告書(CPSR)を確保し、製品情報ファイル(PIF)を保管したうえで、無料のCPNPを通じて、EU全域を対象に1回の届出を行います。
- グレートブリテン:製品には英国に拠点を置く責任者が必要です。責任者は、製品が消費者に届く前に、「Submit cosmetic product notifications」サービスを通じて製品安全基準局(OPSS)に届け出ます。
- 中国:海外企業は中国国内の責任者を指定します。一般化粧品は届出の対象となり、特殊化粧品は登録が必要です。
- ASEAN:製品を市場に出す責任を負う製造業者または企業が、販売する各加盟国の規制当局に届け出、製品情報ファイルを保管します。
- 日本:日本で許可を受けた化粧品製造販売業者が製品の届出を行い、外国製造業者についても、PMDAを通じて厚生労働省に届け出る必要があります。
- サウジアラビアとUAE:サウジアラビアでは、通関前にSFDA(サウジ食品医薬品局)での製品リスティングと適合証明書が必要です。UAEでは、ECAS適合証明書に加えて、ドバイのMontajiなど首長国ごとの登録が必要です。
- ユーラシア経済連合(EAEU:ロシア、カザフスタンなど):EAEU域内で登録された申請者が適合宣言を取得し、よりリスクの高い製品については国家登録を取得します。製品パッケージにはEACマークを表示します。さらにロシアでは、2025年10月1日から、HS 3304に該当するほとんどの化粧品にChestny Znak(チェスニー・ズナク)によるデジタルマーキングが義務付けられており、輸入者はこのシステムに登録しなければなりません。
- インドネシア:現地企業がBPOM(国家医薬品食品監督庁)に製品を届け出ます。また、BPJPH(ハラール製品保証実施機関)は、2024年政令第42号に基づき、2026年10月18日から、輸入製品を含む化粧品のハラール認証の義務化を定めています。詳細はBPJPHにご確認ください。
製品カテゴリーによって要件が変わる理由
訴求や成分によっては、製品がより厳しい手続きのルートに移ることがあります。
- 米国:日焼け止めは化粧品ではなく、一般用医薬品(OTC医薬品)として規制されています。
- 中国:日焼け止め、染毛剤、パーマ剤、ホワイトニング製品、抜け毛防止製品は特殊化粧品に該当し、届出ではなく登録が必要です。
- 日本:育毛やニキビの予防といった目的をもつ製品は、一般に医薬部外品に該当し、届出ではなく製造販売承認が必要です。
- EAEU:子ども用化粧品、染毛剤、ホワイトニング製品などは、国家登録が必要な製品に含まれます。
書類を依頼する前に、訴求を確定させましょう。ブライトニング、シワ改善、SPF、抜け毛に関する訴求には、ターゲット市場での試験、登録または認証が必要になるのが一般的です。
バイヤーが避けるべきよくある失敗
- 市場に責任者がいない。EU、グレートブリテン、中国などでは、製品の届出を行う前に責任者を置く必要があります。
- 訴求を直前に変更する。米国では、日焼け防止の訴求を加えると、その製品は化粧品であると同時に医薬品にもなります。
- ラベルに必要な言語表記や原産国表示がない。米国のラベルでは、必須表示を英語で記載し、輸入品の場合は原産国も表示する必要があります。EUやASEANのラベルにも原産国の表示が必要です。いずれもラベルとカートンのコストに影響します。
- CFSを登録と取り違える。CFSは登録の裏付け資料にはなりますが、登録の代わりにはなりません。
- EXWの意味を誤解する。EXW(工場渡し)では、一般に工場から先の輸送と通関手続きは買主側が手配します。そのため、韓国での輸出申告を誰が行うのかを、書面で取り決めておきましょう。
よくあるご質問
自由販売証明書とは何ですか?誰が発行するのですか?
CFSは一般に、輸出される製品が、原産国で合法的に販売されている製品と同一であることを確認するものです。韓国製の化粧品については、大韓化粧品協会(KCIA)が製造業者や責任販売業者に輸出用の証明書を発行しており、英語と中国語の様式があります。
FDAは登録証明書を発行しますか?
いいえ。FDAは、施設登録や製品リスティングへの適合を証明する証明書やその他の書類を発行していません。
自社の市場で製品を登録するのは誰ですか?
通常は、海外の工場ではなく、お客様の輸入者、ディストリビューター、または指定された責任者です。米国では、ラベルに記載された責任者が行います。
まとめ
生産前に、必要な書類のリストについてメーカーおよび輸入者と合意しておきましょう。お見積もりの段階でターゲット市場を共有し、各書類を誰が作成し、誰が提出するのかを確認するとともに、最新のルールについては当局または薬事コンサルタントに確認してください。
Hansolbioの輸出書類サポート
生産後、HansolbioはCOA(試験成績書)、MSDS、CFS(自由販売証明書)、全成分リスト、その他の輸出書類をご提供できます。当社チームは、FDA(米国)、PMDA(日本)、CPNP(EU)の要件を含め、71か国以上での市場参入をサポートしています。製品の届出やリスティングは、お客様の輸入者または責任者が行います。
初めてお取引いただくパートナーには、輸出対応ラベルの無料ドラフトとローンチ準備チェックリストをご提供しています。Hansolbioは、ISO 22716、ISO 9001、ISO 14001、ISO 45001およびCGMPの認証を取得しており、標準のインコタームズはEXW(工場渡し)です。
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