化粧品ラベルの国別表示要件:輸出ブランドのためのチェックリスト
1つのラベルですべての市場に対応できることは、ほとんどありません。すべての化粧品ラベルに必要な基本項目と、国によって異なる言語、責任企業、訴求に関するルールを解説します。

目次
化粧品のラベル表示要件は、最初から正しく対応すればコストはごくわずかですが、後から修正すると最も高くつく項目のひとつです。カートンを印刷した後で、住所の記載漏れ、言語の誤り、認められていない訴求が見つかると、シールを貼っての修正、再印刷、ローンチの遅れにつながりかねません。
化粧品のラベル表示要件は国によって異なり、その違いは言語、パッケージに記載する企業、そして使用できる表現に表れます。このチェックリストでは、共通の基本項目、地域ごとの違い、表示スペースの計画について解説します。
本記事は計画のためのガイドであり、法的助言ではありません。最終的なラベルは、販売する市場の当局、輸入者、または薬事コンサルタントにご確認ください。
1つのラベルですべての市場に対応するのが難しい理由
通常、次の4つの点が市場によって変わります。
- 言語:どの言語での表示が義務付けられているか
- 責任企業:パッケージに誰の名称を記載しなければならないか
- 訴求:ある市場では化粧品の範囲に収まる表現が、別の市場では登録を必要とする場合があること
- コードとマーク:一部の市場で追加が求められる記号や追跡用のコード
たとえば、マレーシアとインドネシアで販売する化粧水は、同じフォーミュラを使えるかもしれません。しかし、マレーシアではマレーシア語と英語のいずれか、または両方での表示が認められているのに対し、インドネシアでは効能、使用方法、警告をインドネシア語で表示する必要があります。
化粧品ラベル表示要件に共通する基本項目
まずは、ほとんどの規制当局が求める項目を備えたベースラベルから始めましょう。
- 製品名と機能
- 配合量の多い順に記載した成分リスト
- 内容量
- バッチ番号またはロット番号
- 使用期限または開封後使用期間(PAO)
- 該当する場合は使用上の注意
- 責任企業の名称と所在地
- 輸入品の場合は原産国
化粧品の成分表示ルールには、特に注意が必要です。EU化粧品規則では、成分リストの冒頭に「ingredients」と記載し、重量の多い順に並べます。ただし、1%未満の成分は順不同で記載できます。香料は「parfum」または「aroma」と表示し、特定のアレルゲンは個別に名称を記載します。ASEANでは、INCI名による全成分表示が求められます。
地域別の言語と責任企業のルール
ラベルの現地版が必要になるのは、この部分です。
- 米国:米国の化粧品ラベル表示要件はFDAの表示ガイドに示されており、英語による必須表示、主要表示面への製品の識別表示と内容量の記載、製造業者、包装業者または販売業者の名称と所在地、そして輸入品の場合は英語での原産国名の表示が含まれます。
- 欧州連合(EU):表示言語は各加盟国が定めます。ラベルにはEUの責任者(Responsible Person)の名称と所在地を記載し、輸入品の場合は原産国も表示します。
- グレートブリテン:英国の化粧品ラベル表示要件では、英国の責任者の名称と英国内の所在地に加え、輸入品の場合は原産国の表示が求められます。
- マレーシア:ラベルの表示事項は、マレーシア語と英語のいずれか、または両方で記載しなければなりません。
- ASEAN全般:ラベルには現地市場に対して責任を負う企業の名称を記載し、使用期限または製造年月日を表示するとともに、製造国を例外なく記載します。
- 日本:ラベルは日本語で表示し、製造販売業者の名称、製品名、ロット番号、そして原則として全成分を記載します。ここでいう製造販売業者とは、日本で化粧品製造販売業の許可を受けた事業者のことです。
- ユーラシア経済連合(EAEU):ラベルの表示事項は、販売する加盟国の公用語で記載しなければなりません。どの言語が該当するかは、輸入者に確認できます。製造業者の名称と所在地、および製品名は、ラテン文字のままでも構いません。
- サウジアラビア:原産国は「Made in Korea」のように省略せずに記載しなければなりません。アラビア語の化粧品ラベルに何を含める必要があるかは、早い段階で輸入者に確認しましょう。
- インドネシア:効能または用途、使用方法、警告はインドネシア語で記載しなければなりません。その他の項目は、ラテン文字で表記する他の言語で記載することもできます。ラベルには、届出者、つまりBPOM(国家医薬品食品監督庁)への届出を行う現地企業の名称を記載します。
ハラールマークには独自のルールがあります。マレーシアでは、ハラールロゴの使用は任意であり、JAKIM(マレーシア・イスラム開発局)またはJAKIMが認定したイスラム機関の認証を受けた製品にのみ認められています。インドネシアでは、ハラール製品保証実施機関(BPJPH)が、2024年政令第42号に基づくハラール認証の義務化について、2026年10月18日から輸入品を含む化粧品が対象になるとしています。手続きのルートは、BPJPHまたは輸入者にご確認ください。
ラベル上の訴求:登録が必要になる表現
FDAのルールでは、製品が化粧品、医薬品、またはその両方のいずれに該当するかは使用目的によって決まり、他の市場でも同様の線引きがなされています。
- ホワイトニングまたはブライトニング:韓国ではMFDS(食品医薬品安全処)の審査または報告が必要な機能性化粧品、日本では医薬部外品としての訴求、中国では登録が必要な特殊化粧品にあたります。EAEUでも、ホワイトニング製品には国家登録が必要になる場合があります。
- SPF:日焼け止めは、米国では一般用医薬品(OTC医薬品)、韓国では機能性化粧品にあたります。EUのガイダンスは「サンブロック」という表現を使わないよう勧めており、FDAは、「ウォータープルーフ」の日焼け止めは存在しないと指摘しています。
- シワ改善:韓国では機能性の訴求にあたります。日本では、化粧品でシワについて表現できるのは、乾燥による小ジワを目立たなくすることに限られます。
- 抜け毛:韓国では、脱毛症状の緩和は機能性の訴求にあたり、「医薬品ではない」旨の表示が必要です。米国では、発毛や抜け毛予防は医薬品としての訴求にあたります。
- ニキビ:韓国では洗い流すタイプの洗浄料に限られた機能性化粧品の類型であり、米国では医薬品としての訴求にあたります。
ASEANは訴求の扱いを各国に委ねており、サウジアラビアでは医療的な訴求は認められません。欠かせない訴求がある場合は、アートワークを確定する前に、市場ごとに試験や登録を計画しましょう。
コード、記号、表示スペースの計画
多言語の表示面は、1言語の場合よりも多くのスペースを必要とします。また、いくつかの市場ではマークやコードの追加が求められます。
- EUのナノ表示:成分リストでは、ナノマテリアルの後に「(nano)」と記載します。
- EACマーク:EAEUでは、製品の各単位(パッケージ、ラベル、またはタグ)と付属書類のいずれか、または両方に表示します。
- ロシアのDataMatrix:「Chestny Znak(チェスニー・ズナク)」システムでは、ほとんどの化粧品にDataMatrix形式のマーキングコードが求められ、輸入者もこのシステムに登録しなければなりません。そのため、コードを配置するための空白スペースを確保しておきましょう。
- インドネシアの2次元バーコード:BPOMの表示規則では、ラベルの必須記載事項の一つとして2次元バーコードが挙げられています。
- バーコード:小売業者から求められる場合は、平らで読み取りやすい位置を確保しておきましょう。
小さなチューブは、カートンに比べて平らな面がはるかに少ないため、記載する文言を念頭に置いてパッケージライブラリで選択肢を比較しましょう。ラベルシールと直接印刷のどちらを選ぶかによっても、1つのデザインを複数の市場向けにどれだけ容易に調整できるかが変わります。
よくある失敗
- 原産国を省略して記載する。すべてのバージョンで「Made in Korea」と省略せずに記載しましょう。
- 現地の責任企業がいない。EU、グレートブリテン、ASEAN、日本では、通常、海外の製造業者の所在地だけでは不十分です。
- 警告が翻訳されていない。言語に関するルールは、使用上の注意にも適用されます。
- カテゴリーを変えてしまう訴求。韓国版からそのまま流用したブライトニング、SPF、抜け毛に関する表現によって、他の市場ではその製品が登録の必要な製品や医薬品になることがあります。
- コードを入れるスペースがない。端から端までデザインで埋めたアートワークでは、DataMatrixコードやバーコードを配置する場所がなくなります。
- EU向けの古いアートワークを使い回す。EUは、個別に名称を記載しなければならない香料アレルゲンのリストを拡大しました。
よくあるご質問
1つの英語ラベルを複数の市場で使えますか?
使える市場はごく一部です。米国とマレーシアでは英語で対応できますが、EUでは各加盟国が独自に言語を定めており、日本では日本語が求められ、EAEUでは加盟国の公用語が用いられ、インドネシアでは主要な項目をインドネシア語で記載する必要があります。1つのベースデザインを、各輸入者と連携しながら現地化しましょう。
ラベルに原産国の表示は必要ですか?
ここで取り上げたほとんどの市場で必要です。米国、EU、グレートブリテンでは原産国の表示が義務付けられており、ASEANでは製造国を例外なく表示する必要があります。また、サウジアラビアでは省略表記は認められません。
印刷前にラベルを確認するのは誰ですか?
EUや英国の責任者、日本の製造販売業者など、各市場で法的責任を負う企業が、最終的なアートワークを確認する必要があります。薬事コンサルタントによるダブルチェックを加えることもできます。
まとめ
ラベルには共通の基本項目がありますが、細部は市場によって異なります。規制に適合したベースラベルを1つ作成し、印刷する前に輸入者とともに現地化しましょう。
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