薬事・輸出

米国で韓国製化粧品を販売するには:ブランドに求められるMoCRAの要件

MoCRAの要件をわかりやすく解説するガイドです。製造業者が行う登録、ブランドが行うリスティングと報告、そして米国で重要となる訴求とラベル表示をまとめました。

8分で読めます執筆:Hansolbio

明るいテーブルの上にある無地ラベルのクリームジャーとセラムボトル、その横に積まれた無地の配送用カートン

韓国製スキンケアを軸に展開する多くのブランドにとって、米国は計画に組み込むべき重要な市場です。韓国食品医薬品安全処(MFDS)が2026年5月に発表した2025年の輸出統計では、米国が中国を抜いて韓国化粧品の最大の輸出先となり、輸出額は約22億米ドルに達しました。米国で販売するには、MoCRAの要件、すなわち2022年化粧品規制近代化法によって新たに加わった義務を満たす必要があります。

MoCRAは、化粧品に対するFDA(米国食品医薬品局)の承認制度を設けるものではありません。その代わりに、製品を製造する施設と、ラベルに名称が記載される企業との間で義務を分担させています。自社がどちらの立場にあたるかを把握しておけば、米国への初出荷までの時間を節約できます。

本ガイドは、引用したFDAのページの内容をまとめたものです。法的助言ではありませんので、ローンチ前に最新の要件をFDAまたは薬事コンサルタントにご確認ください。

ひと目でわかるMoCRAの要件

FDAのMoCRA概要ページ(2026年8月時点の内容)と、登録・リスティングに関するFDAのページによると、主な義務は次のとおりです。

  • 施設登録:製造業者と加工業者は、施設をFDAに登録し、2年ごとに更新します。
  • 製品リスティング:市販する各化粧品を成分とともにリスティングし、毎年更新します。
  • 有害事象の報告:重篤な有害事象は、15営業日以内にFDAへ報告しなければなりません。
  • 安全性の立証:各製品の安全性を裏付ける記録を保管しなければなりません。
  • リコールと記録へのアクセス:責任者が自主的なリコールを拒否した場合、FDAは強制リコールを命じることができます。また、一定の条件を満たす場合には、安全性に関する記録を含む特定の記録にアクセスすることもできます。

製造業者と責任者:それぞれの役割

製造施設は、自らFDAへの施設登録を行います。米国で流通させる化粧品を製造または加工する外国の施設は、米国代理人も指定しなければなりません。

責任者(Responsible Person)とは、ラベルに名称が記載される製造業者、包装業者または販売業者のことです。プライベートラベルのブランドであれば、ラベルにどちらの名称が記載されるかに応じて、通常はブランド自身またはその米国のディストリビューターが該当します。責任者は、各製品を成分とともにリスティングし、そのリスティングを毎年更新し、重篤な有害事象を報告し、安全性の立証に関する記録を保管します。

たとえば、米国のブランドが韓国製のセラムを自社名で販売するとします。この場合、韓国の工場は自社の施設を登録し、ブランドは製品のリスティング、有害事象の報告、安全性に関する記録を担当します。

なお、FDAは、登録やリスティングを証明するための証明書その他の書類を発行していません。化粧品について「FDA証明書」を提示された場合は、それが具体的に何なのかを確認しましょう。また、施設と製品は別々の届出になるため、リスティングのためにどのような情報を共有してもらえるかを、製造業者と早めに取り決めておきましょう。

化粧品か医薬品か:すべてを左右する訴求

米国では、製品の使用目的によって、その製品が化粧品、医薬品、またはその両方のいずれに該当するかが決まります。FDAが挙げる製品を医薬品に該当させる訴求の例には、発毛を回復させること、メラニンの生成に作用すること、細胞を再生させることなどがあります。よくある落とし穴には、次のようなものがあります。

  • 日焼け防止:日焼け防止を訴求するモイスチャライザー(保湿製品)は、化粧品であると同時に医薬品でもあります。
  • フケ防止:フケ防止シャンプーは、化粧品と医薬品を兼ねる製品です。
  • ニキビ治療:ニキビ治療薬は処方箋不要の医薬品のカテゴリーに属するため、ニキビの治療を目的とする製品は医薬品として規制されます。
  • 発毛:発毛の回復をうたう表現は、医薬品としての訴求にあたります。

この違いは、輸入時の水際で問題になります。規制ニュースサービスのChemLinkedによる分析では、2024年にFDAが輸入を拒否した化粧品は約1,300バッチにのぼり、そのうち723バッチは治療的な訴求を掲げて販売された製品で、未承認医薬品にあたるものでした。韓国は、輸入拒否の主な原産国の一つでした。

韓国では問題のない訴求でも、米国ではその製品を医薬品に該当させることがあります。FDAはラベル表示、広告、オンラインでのプロモーションから使用目的を判断できるため、ラベル、ウェブサイト、マーケットプレイスの文言はまとめて見直しましょう。規制対象となる訴求が欠かせない場合は、それに必要な試験と医薬品としての要件への対応を、生産前に計画してください。

米国のラベル表示の基本

FDAの化粧品表示ガイドには、基本となる表示事項が示されています。輸入化粧品の場合は、ラベルに次の項目が含まれているかを確認しましょう。

  • 主要表示面に記載する製品の識別表示と内容量
  • 製造業者、包装業者または販売業者の名称と所在地
  • 配合量の多い順に記載した成分
  • 必要な警告表示
  • 英語で記載したすべての必須表示
  • 英語で記載した原産国名

色に関わる成分には、別途注意が必要です。着色料は、その使用目的についてFDAの承認を受けている必要があり、FDAは、着色料に関する違反は、輸入化粧品が留置されるよくある理由のひとつだと指摘しています。すべての着色料を、韓国のルールだけでなく米国のルールにも照らして確認しましょう。また、小さなチューブやジャーは表示スペースが限られるため、ラベルの文言はパッケージングデザインの早い段階で計画しておきましょう。

未確定の事項

FDAのMoCRAページ(2026年8月時点の内容)によると、現状は次のとおりです。

  • 適正製造規範(GMP):MoCRAはFDAに対し、化粧品製造施設を対象とするGMP規則の制定を求めていますが、最終規則は掲載されていませんでした。
  • 香料アレルゲン:MoCRAはFDAに対し、香料アレルゲンの表示に関する規則の制定を求めていますが、こちらも最終規則は掲載されていませんでした。
  • タルクの試験:2024年12月に規則案が公表されましたが、2025年11月に撤回されました。

いずれも義務の内容を変える可能性があるため、ローンチのたびにFDAのページで最新の状況をご確認ください。

小規模事業者の免除とその適用範囲

FDAの説明によると、MoCRAは一定の小規模事業者に対し、GMP、登録、製品リスティングの要件を免除しています。ただし、次に該当する製品には免除が適用されません。

  • 眼の粘膜に接触する製品
  • 注射して使用する製品
  • 体内での使用を目的とする製品
  • 通常の使用条件下で、消費者が除去することなく24時間を超えて外観を変化させることを目的とする製品

FDAはこの免除をGMP、登録、リスティングに限ったものとして説明しているため、有害事象の報告と安全性の立証については、引き続き対応を計画しておく必要があります。自社が免除の対象となるかどうかは、薬事コンサルタントにご確認ください。

よくあるご質問

米国でスキンケアを販売するには、FDAの承認が必要ですか?

一般的には不要です。FDAによると、法律は着色料を除く化粧品とその成分について、市場に出す前にFDAの承認を受けることを求めていません。ただし、化粧品を製造または販売する企業は、その安全性について引き続き法的責任を負います。また、日焼け止めのように医薬品に該当する製品は、医薬品としての要件を満たす必要があります。

韓国の製造業者に、製品のリスティングを代行してもらえますか?

リスティングは責任者の義務であり、通常はブランドまたは米国のディストリビューターが担います。自社の記録用に、どのような成分リストやその他の輸出書類を提供してもらえるかを製造業者に確認しましょう。リスティングをどのような方法で、誰が提出するかは、薬事コンサルタントにご確認ください。

韓国製のSPFクリームは、米国では化粧品ですか?

化粧品というだけではありません。米国では日焼け止めは一般用医薬品(OTC医薬品)として規制されているため、韓国製のSPFクリームは、使用できるUVフィルター(紫外線防御成分)を含め、米国の日焼け止めに関する医薬品要件を満たす必要があります。詳細はFDAまたは薬事コンサルタントにご確認ください。

米国代理人とは何ですか?

米国代理人は、FDAと外国の施設とのやり取りを支援する役割を担います。これには、その施設の製品や査察に関する連絡も含まれます。登録とリスティングに関するFDAのガイダンスによると、外国の施設は登録の際に米国代理人の連絡先を届け出ます。これは施設側の役割であり、ラベルに記載される責任者とは別のものです。

まとめ

MoCRAのもとでは、生産前に米国向けの書類を計画しておくブランドほど有利になります。ラベルに記載する責任者は誰か、訴求によって製品が化粧品の範囲にとどまるか、ラベルと着色料が米国のルールを満たしているか、という3つの点を早めに固めておきましょう。

経験豊富なOEM/ODMパートナーがいれば、こうした調整は進めやすくなりますが、ルールは今も変化し続けています。本ガイドを出発点として活用し、最新の要件はFDAまたはコンサルタントにご確認ください。

Hansolbioとともに米国でのローンチを計画しましょう

Hansolbioは、社内にR&D、生産、品質管理の体制を備えた韓国の化粧品OEM/ODMメーカーです。生産後には、COA(試験成績書)、MSDS、CFS(自由販売証明書)、全成分リスト、その他の輸出書類をご提供できます。当社チームは、FDA(米国)、PMDA(日本)、CPNP(EU)の要件を含め、71か国以上での市場参入をサポートしています。

初めてお取引いただくパートナーには、輸出対応ラベルの無料ドラフトもご提供します。ターゲット市場に合わせて調整できるベースラベルです。

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