EU・英国で化粧品を販売するには:責任者、CPNP、SCPN、製品情報ファイル
欧州でバイヤー側が進めるべき手順は、責任者の指定、安全性報告書とPIFの作成、CPNP届出またはSCPN届出、そして正しいラベル表示です。

目次
欧州は、韓国製化粧品の輸出先として最も急成長している地域のひとつになっています。2026年7月に報じられた韓国の通商当局のデータによると、全市場での伸び率が約27%だったのに対し、2026年上半期のEU向け輸出は76.3%増の約9億米ドルに達しました。この需要を取り込もうとするブランドにとって、最もよく知られている要件はCPNP届出ですが、これは5つのステップのうち4番目にあたります。
ブレグジット以降、EUとグレートブリテンは別々の規制制度となっています。EUではEU化粧品規則である規則(EC)No 1223/2009が適用される一方、グレートブリテンは独自の届出サービスを運用しており、グレートブリテン独自の責任者を置く必要があります。
ステップ1:責任者を指定する
同規則の第4条により、化粧品をEU市場に出すことができるのは、EU域内に拠点を置く法人または自然人が責任者(Responsible Person、RP)として指定されている場合に限られます。輸入製品の場合は、原則として輸入者が責任者となります。輸入者は代わりに、書面による委任によってEU域内に拠点を置く別の者を指定することもでき、その者は書面で委任を受諾します。
責任者の名称と所在地はラベルに記載され、責任者はその所在地で製品ファイルを閲覧可能な状態で保管します。この判断を最初に行うべきなのはそのためです。ラベルのアートワーク、書類、そして当局への対応を誰が担うかは、いずれもこの判断に左右されます。
ステップ2:安全性評価とCPSR
ローンチ前に、責任者は、同規則の附属書Iに従って安全性評価が実施され、化粧品安全性報告書(CPSR)が作成されていることを確保しなければなりません(第10条)。評価者は、薬学、毒性学、医学またはこれらに類する分野の資格を有している必要があります。
評価に必要な情報の多くは、製造業者から提供されます。附属書Iには、次のような項目などが含まれます。
- 定性的および定量的な組成
- 物理化学的特性と安定性
- 微生物学的品質
- 不純物、微量成分、包装材料に関する情報
- 予見可能な使用方法、曝露、成分の毒性プロファイル
たとえば、韓国製のセラムをローンチするブランドであれば、通常はフォーミュラ、原料規格、安定性データ、微生物データを製造業者から入手し、評価者に提供します。
ステップ3:製品情報ファイル(PIF)を作成する
責任者は、製品ごとの製品情報ファイル(PIF)を、最後のバッチが市場に出されてから10年間、ラベルに記載された所在地で保管します(第11条)。PIFには次の内容が含まれます。
- 製品の説明
- CPSR
- 製造方法の説明と、適正製造規範(GMP)への適合に関する声明
- 必要に応じて、訴求する効果の立証資料
- 動物試験に関するデータ
GMPに関する声明は、通常は製造業者から提供されます。第8条では、関連する整合規格に従って製造されている場合にGMPへの適合が推定されるため、パートナーがどのGMP認証を取得しているかを確認しましょう。
ステップ4:CPNP届出(EU)とSCPN(グレートブリテン)
製品の販売を開始する前に、責任者は欧州委員会の化粧品届出ポータル(CPNP)を通じて届出を行います。CPNPは無料で、一度届け出た製品については、EU域内で国ごとに追加の届出を行う必要はありません。届出には、製品のカテゴリーと名称、責任者、輸入品の場合の原産国、含まれるナノマテリアル、フレームフォーミュレーションなどの情報が含まれます。
バイヤーの間でよく「英国の化粧品登録」と呼ばれる手続きは、SCPNによる届出です。グレートブリテンで製品が消費者に届く前に、英国に拠点を置く責任者が化粧品届出サービス(SCPN)を通じて届出を行わなければなりません。英国のガイダンスでは、PIFを英語で作成することと、ラベルに責任者の英国内の所在地を記載することも求められています。北アイルランドには別のルールが適用され、北アイルランドまたはEU域内に拠点を置く責任者が必要です。
ステップ5:ラベルと訴求
第19条は、EUのラベル表示事項として、次のような項目を定めています。
- 責任者の名称と所在地
- 輸入品の場合は原産国
- 内容量
- 使用期限、または30か月を超えて品質が保たれる製品の場合は開封後使用期間
- 使用上の注意、バッチ番号、機能
- 成分リスト(香料は「parfum」または「aroma」と表示し、指定されたアレルゲンは個別に名称を記載)
ラベルの表示言語は製品を販売する各加盟国が定めるため、複数の国でローンチする場合は複数の言語版が必要になることがあります。
訴求は、規則(EU)No 655/2013に定められた、真実性、根拠による裏付け、公正性などの共通基準を満たす必要があります。成分に関する訴求では、最終製品がその成分の特性を持たないにもかかわらず、持っているかのように示唆してはならず、また、合法的に使用されている成分をおとしめる訴求も認められません。当局向けの法的拘束力のないガイダンスであるEUの化粧品の訴求に関する技術文書は、「パラベンフリー」という訴求は認めるべきではないとしています。
変わりつつあるルール
2026年10月時点で、EUでのローンチに関して特に注目すべき動きが4つあります。
- 香料アレルゲン:規則(EU)2023/1545により、個別に表示しなければならないアレルゲンの対象が拡大されています。この規則に適合していない製品を市場に出せたのは2026年7月31日までで、流通させることができるのは2028年7月31日までです。そのため、2026年7月31日より後に市場に出す製品には、拡大された表示が必要です。
- パッケージング:包装・包装廃棄物規則(EU)2025/40は、2026年8月12日から、原産地を問わずEU市場に出されるすべての包装に適用されます。パッケージングの選択にあたっては、この規則を考慮に入れましょう。
- 簡素化:2026年6月、EU理事会と欧州議会は、化粧品を含むEUの簡素化パッケージであるオムニバスVIについて、暫定的な政治合意に達しました。正式な採択はまだ行われていないため、これを前提にラベルを計画する前に、最新の状況を確認してください。
- 成分規制:禁止成分や制限成分のリストは随時改正されます。欧州委員会の2025年版Safety Gate報告書では、化粧品が最も多く通報されたカテゴリーとなり、過去最多となった4,671件の警告のうち36%を占めました。また、化粧品に関する警告の8割近くが、EUで使用が禁止されている合成香料成分であるBMCHAに関するものでした。
EUでの変更がグレートブリテンにも適用されるとは限らず、その逆も同様です。それぞれの制度を個別に確認しましょう。
製造業者が提供するものと責任者が担うこと
技術データを持っているのはOEM/ODMパートナーであり、法的責任を負うのは責任者です。
製造業者が一般的に提供するもの:
- フォーミュラのデータと全成分リスト
- 安定性、適合性、微生物に関するデータ
- 原料規格と安全データシート
- 製造方法とGMPに関する声明
- 試験成績書(COA)などのバッチ関連書類
責任者の役割:
- 輸入者として、または書面による委任によって責任者の役割を担う
- 資格を持つ評価者にCPSRを作成してもらう
- 最後のバッチから10年間、PIFを保管する
- 販売前にCPNPまたはSCPNの届出を行う
- ラベル、言語、訴求を確認し、フォーミュラやラベルが変わった際にはファイルを更新する
よくあるご質問
韓国の製造業者に、EUの責任者になってもらえますか?
韓国からはできません。責任者はEU域内に拠点を置いている必要があります。輸入製品の場合は、原則として輸入者が責任者となるか、輸入者が書面によってEU域内に拠点を置く別の者を指定します。製造業者は、責任者が必要とするデータを提供します。
1回のCPNP届出で英国もカバーできますか?
いいえ。CPNPの対象はEUです。グレートブリテンでは、英国に拠点を置く責任者が、別途SCPN届出を行う必要があります。
PIFはどのくらいの期間保管する必要がありますか?
EUでは、最後のバッチが市場に出されてから10年間です。英国のガイダンスでも、保管期間は10年間とされています。
まとめ
欧州での化粧品販売は、責任者、安全性評価、PIF、CPNP届出またはSCPN届出、そしてラベルという順序に沿って進めれば、十分に対応できます。ラベルを確定する前に責任者を指定しましょう。責任者の所在地や言語版は、この判断によって決まるためです。
本記事は各出典の日付時点での概要であり、法的助言ではありません。ローンチの前に、最新のルールを当局または薬事コンサルタントにご確認ください。
HansolbioとともにEU・英国でのローンチを準備しましょう
Hansolbioは、社内にR&D、生産、品質管理の体制を備えた韓国の化粧品OEM/ODMメーカーで、化粧品の適正製造規範(GMP)に関するISO 22716の認証を取得しています。
生産後には、COA(試験成績書)、MSDS、CFS(自由販売証明書)、全成分リスト、その他の輸出書類をご提供できます。また、当社チームは、CPNP(EU)の要件を含め、71か国以上での市場参入をサポートしています。届出を行い、ファイルを保管するのはお客様の責任者であり、当社は製造側からの書類でそれをサポートします。初めてお取引いただくパートナーには、市場ごとに調整できる輸出対応ラベルの無料ドラフトもご提供します。


